領域協賛で「第73回 医用高分子研究会」を開催しました(2023.03.06)

令和5年3月6日に、物質共生の共催のもと、第73回 医用高分子研究会「免疫とバイオアダプティブポリマー」が開催されました(東京理科大学神楽坂キャンパス)。

本会では、人類の健康と福祉に貢献する材料(特に合成高分子・生体高分子など)の研究・開発にフォーカスした研究会で、材料工学だけではなく医学・薬学・歯学・獣医学等と連携しながら、新たな医療用デバイス、人工臓器、再生医療、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、診断システム、ナノメディシンなど、治療・診断・予防等に資する研究に関する発表・交流を行っております。
今回は、物質共生との共催のもと、生体分子との相互作用を積極的に活用して能動的に免疫環境を制御する“バイオアダプティブポリマー”の設計・創製に着目したセッションが組まれました。

冒頭では、東京医科大学の永井重徳先生に「免疫総論-医用材料開発のために知っておくべきこと-」に関するご講演をいただき、免疫反応と言う観点から医療材料の設計法に関して議論が白熱しました。
また、東京医科大学の内田智士先生には今話題の「mRNAワクチン」に関するご講演をいただきました。さらに福井大学の牧野顕先生には「疾患特異的なイメージングと治療を可能にする分子プローブの開発」、ユナイテッド・イミュニティの原田直純先生には「がん免疫療法を革新するナノテクノロジー」に関するご講演をいただきました。
本領域からは、山吉、白石、荏原がそれぞれの研究成果を発表しました。

本研究会を通じて、生体とのアダプティビティーの観点から、特に免疫疾患、がん治療、再生医療への展開をはかる研究例が紹介され、大いに盛会となりました。
21世紀に入りバイオ医薬品の台頭する一方で、抗体や核酸医薬、あるいはそれを包含する合成ポリマー自体の免疫原性の問題が生じております。
こうした中、従来の概念を超えた新しい医用高分子の創製の重要性をあらためて認識する機会となりました。